JR6PUE HOME PAGE

簡単WIRES−X接続ユニットを作成


ローカルに促されてWIRES―X(車載FT-400D 自宅FT−2D)を始めたのですが、
ノード局もおもしろいからとさらに勧められたのですがノード局はさすがにと躊躇していました。
そんなときに、ここに面白いのがあると「無線に関する雑記帳」の掲示板を紹介されました。

そこに、「SP AMP 内蔵 簡単WIRES接続ユニット回路」が紹介されています。これは、YAESUのWIRES-XインターフェースHRI-200さえ購入すれば、ノード用の無線機がいらなくなるというものです。これは、面白そうだということで自作の血が騒ぎ出し、早速部品集めをする事にしました。

特殊な部品は、SPアンプ回路のIC(TDA7052)くらいです。あと、1石マイクアンプ回路に、無極性電解コンデンサ(NP)が使われていますが、これも手持ちがありませんでした。

ただ、ネットで「1石マイクアンプ」で検索するとFCZ寺子屋シリーズで販売されていた094Aマイクアンプキットの回路が紹介されています。ここでは、無極性電解コンデンサではなく、有極性電解コンデンサを使用していますので、無極性コンデンサがなくても大丈夫だと思います。(この回路図は、不具合対応中に見つけました)

当然、パネル取り付け用のマイクコネクタやmini DIN 6Pコネクタなどを購入する必要もあったので、私は無極性電解コンデンサを使用しました。

掲示板を読むとわかるのですが、SP AMP回路に使用しているTDA7052 ICはすでに製造中止になっているようです。
回路を拝見するなかで、役割的には、スピーカーアンプであれば問題ないと思われましたので秋月電子にあるTA7368使用小型アンプキット(300円)を使用することにしました。なお、音声出力調整用の500オームボリュームはキット付属の部品ではなく外に出せるように半固定ボリューム(Bカーブ)を購入しました。

基板完成品であれば、(株)イーケイジャパンから、紹介されている回路に使用されているTDA7052 を利用した1Wパワーアンプが(1404円)で販売されています。

2台作る必要があったので、とりあえずどちらのSPアンプも購入しておきました。

1石マイクアンプ自体は、ユニバーサル基板上に部品を直接配置して半田付けしてもそんなに難しいものではありません。




簡単WIRESが完成したので動作試験をすることにしました。WIRES-Xを動かすPCは、ドスパラから販売されているスティックPCを利用してみることにしました。

WIRES-Xの動作推奨
クロック周波数:2.0GHz 以上
HDD:1GB 以上の空き容量
RAM:2GB 以上

スティックPC
インテル Atom Z3735F プロセッサー
(クアッドコア, 定格 1.33GHz, キャッシュ2MB)
RAM 2GB DDR3L ストレージ 32GB eMMC

スペック的には、低いかなと思われますがスティックPC Windows10上で快適に動作しています。

接続ユニット完成後の動作テストで、はまったのが2カ所ありました。

受信回路は、正常に動作しマイクのPTTを押すと送信状態にはなりますが音声がのりません。掲示板に紹介されている不具合と全く同じ現象です。とりあえず、1石マイクアンプ回路の配線ミスを探しましたが特に間違いはありません。困ったときのグーグル先生ということで、「1石マイクアンプ回路」を検索。FCZ寺子屋シリーズで販売されていた094Aマイクアンプキットの回路を見て愕然。掲示板で紹介されている回路は、ECMマイクを使用する場合で作成されています。無線機用のダイナミックマイクは、電源から無電極電解コンデンサにつながっている2.2Kオームの抵抗はいらないと書いていました。思い込みとは、怖いものでいらないということは抵抗を除いて結線すると勘違いしたままになっていました。悩むこと数時間。1石マイクアンプ回路を検索して、Vcc 5Vラインを解放することだということを理解しました。不具合確認中にVCCラインと信号ラインを直接接続するのは、おかしいなとは思いながらも信じ込んでいた自分が情けない。

このときは、回路を開放して落着するはずでしたが....

まだ、おかしいのです。
実は、アイコムのマイクがあまっていたのでダイナミックマイクの8PIN端子は、アイコム結線で行っていました。掲示板に紹介されている写真をよくよくみるとKENWWODのマイクを使用しています。わらをもすがる思いでケンウッドの8PINマイク配線に変更。KENWWODマイクを使用したところ一発で音声がのりました。

(その後、分かった事ですが、ダイナミックマイクでマイク回路とPTT回路が分かれていればどこのマイクでも使えます。
結線は、下記回路図の通りです。 プリモのマイクとか入手しやすいかも (株)プリモ

どうも、GNDの関係がアイコムマイク配線ではうまくいかないようです。HRI-200のDIN6PINの回路を確認したくていろいろネットを検索したのですが見つかりませんでした。
ただ、CT-163 八重洲無線(ヤエス) データケーブル(MDIN10ピン⇔MDIN6ピン+Dsub9ピン)の回路図は公開されていますので、今回の回路をみるかぎりたぶんこのmini din6pinの結線だろうと思います。(^^;
と書いておきながらgoogle先生に改めて教えて頂きまた。JQ1YDA局のブログで確認しました。やはり間違いないようです。

私が結線した回路図です。BSch3Vを使用して描いてみました。
SPアンプ回路は、記載していませんので紹介したキットや完成品に電源、音声入力、音声出力を結線すれば大丈夫です。


回路の動作が確認できたので加工したアルミケースに基板を収納して完成。
アンプ基板内にあるバイアス用VR(200Ω)は、最小値(0Ω)で大丈夫の用です。

基板の部品配置は、参考までに。



2017.04.16 久しぶりに制作を頼まれましたので作ってみました。
今までの中では、一番きれいにできたと思います。
音声アンプをマイクアンプ基板に亀の子で取り付けています。
この方法でやると、きれいに仕上げることができます。


今回制作した簡単ワイヤーズ(手前)と使っている簡単ワイヤーズ(上)


サーバーソフトの設定
1.設定初期化をしてデフォルト状態にする。
2.無線機動作で4つある選択肢の一番下アナログ運用にチェック
3.オーディオ調整でマイクレベルを70〜80程度に調整(1石マイクアンプですので)
  波形を見ると少し過大な気がするかもしれませんが交信相手に聞いてもらうときわめてクリアな音声です。自分のシステムにあわせて調整ください。
4.送受信に関して後の設定は何も無し。

電流を測定してみました。トータルで90mA。HRI-200より流れている。(^^; と言ってもわずかですね。





ローカル局用と2台作成しましたが、きわめて明瞭できれいな音がのっています。
はたして無線機を使わずしてこれをアマチュア無線というかどうかは?ですが、KENWOODのハンドマイクを使っていますので無線機に向かって話している感じは十分にあります。

音声の評判は、C4FMの音声よりもアナログの音声が柔らかくて肉声に近いと上々です。