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FTM-400D用外部GPSアンテナを製作


FTM-400Dは、起動時のGPS受信開始時間が遅いと思いませんか。場合によっては、5分以上も受信しない場合があります。
ファームウェアのバージョンアップで改善しないかと淡い期待を持っていましたが、ダメみたいです。
FTM-400Dの後継機で、準天頂衛星「みちびき」対応のFTM-400XDが昨年12月に発売されましたが、
買い換えるわけにもいかないし。
ということでそのまま使っていましたが、最近、JE6JVD局から自宅から職場まで(5分くらいだそうです)行く間に一度も
APRS信号を出さないことがあると悩んでおられました。

JH6EOS局やフレンドさんも悩んでいたようですし、となれば、ダメもとで外部アンテナ制作にチャレンジです。

以前、Tyny Track3で使っていたGPSモジュールがあります。
ノウハウは、その時に仕入れているので何とかなるぞという安易な思いです。

しかし、FTM-400D側の情報は、ほとんどありません。Google先生も知らないようです。悲しい。
マニュアルには、「外部GPSアンテナが使えます。使うときは、設定を外部に変更してください。」だけです。
ヒントは、このページだけです。通信規格も分らない。TXD,RXDという表現は、RS232シリアル通信だろうと推測。
ボーレートは?とりあえず、AUTOボーレートで対応するかもしれないなと勝手な推測。

 自作のヒントは、このページのみ


Tyny Track3で使っているGPSアンテナは、RS232Cシリアル接続です。
その時の調整方法等は、ここのページを参考にしています。
特に、モジュールのボーレート変更には、ちょっとした機器を作成しないといけません。
私も、ここのページを参考にして当時こんなものを作りました。
GPSモジュールには、5V電源を供給しなくてはなりません。5Vは、携帯用のUSB電源を流用しました。
また、RS-232Cクロスケーブルがなかったので変換機を作ってGPS ViewerでモジュールとPCを接続しました。

GPSモジュールのボーレートを変更するのは、ハードルがあがりますね。
とりあえず、再度9600bpsに変更してみました。


ここまでは、前段です。

GPSモジュールには、5V電源が必要です。さらに、FTM-400Dの外部アンテナ接続端子はステレオミニピンプラグです。
今日の所は、実験ということで安く仕上ようと近くのダイソーへレッツゴーです。
5Vシガープラグ、USB充電ケーブル、ついでに3.5インチミニプラグを購入しました。



充電ケーブルの先側は、切断して使います。


3.5インチミニプラグも片方はいりませんので、切断。確認すると、リッツ線を使っていました。
信頼性やシールド性にも不安が募ります。
シールドケーブルじゃないだろうと思ったけど、安くするとはこういう事なんですね。
簡単Wires-X用のモービルマイクを作成するのに、PCマイクにリッツ線が使われていてその接続には苦労しました。
ということで、やはり手持ちの3心ケーブルを使うことにしました。
108円無駄だった。(3.5インチミニピンプラグだったのでどっちみち使えなかったのですが)

GPSモジュールの端子は、このようになっています。


1,2,3,4番を使います。
1−GND
2−5V
3−IN(RXD)
4−OUT(TXD)



結線完了。

GPSモジュールケースは、TynyTrackで使用していた時の自動車用のカーナビGPSアンテナケースを再利用しました。
実験ということで配線の見た目が悪いのは、ご愛嬌です。あとで、手直ししておきます。
なお、USB電源ケーブルは、ダッシュボードの迷彩色として黒が良いですね。

蓋を閉めると、Panasonic製みたいになっちゃっいました。(^^;



とりあえず完成したので接続しようとしたら、なんとFTM-400Dの外部接続端子は2.5mmミニピンプラグではないですか。
やり直し。確認不足も良いところでした。

2.5インチミニピンプラグに変更してFTM-400Dに接続。CONFIG画面から外部アンテナをEXTERNALへ変更。
この状態では、ボーレートは、9600bps。接続は、ストーレート接続(TXD-TXD,RXD-RXD)でした。

よくよく考えると接続で失敗をしています

正解は、次の結線です。

FTM-400D  TXD − RXD GPSモジュール
FTM-400D  RXD  −  TXD  GPSモジュール


GPSモジュールとFTM-400Dは、クロス接続にすることにご注意下さい。
ここは、ツボです。はまりました。(^^;

しかし、接続を変更しても、衛星を受信しない。

もしかしたら、オートボーレート機能はないのか。Tiny Track3と同じ、4800bpsなのか?
ということで、4800bpsへ変更。

やりました。大成功。受信も早い。


ちなみに、内部アンテナはどうだろう。
こんな感じ。起動時間が早い時に確認するとは、受信状態差は歴然です。


外部アンテナで自宅周辺を移動してみました。

ちゃんと送信しています。

使用感ですが、本当に早いです。
一晩おいて、朝エンジンスタートして、FTM-400DがGPS電波の受信を開始し
無線機から位置信号電波がでるまで30秒とかからないです。早い。(^_^)
内蔵アンテナは、数分はかかっています。

短い間隔での無線機の再起動時には、すぐに受信完了状態になります。

これでも満足なのですが、秋月電子をみているとみちびき対応モジュールがあるではないですか。
ちゃんと、4800bpsにもできるようです。
信号は、RS-232Cレベルではありませんがシリアル変換基板を利用すればなんとかなるだろう。

早速、手に入れてみました。

まずは、動作チェックとボーレート変更。そのためには、USBシリアル変換モジュールが必要です。
手持ちに、FT232RLがありましたのでこれを使う事にしました。

GPSモジュールとUSBシリアル変換モジュールをブレッドボードを使って接続しました。


秋月電子にGPS miniという対応ソフトがあります。


やった。ちゃんと、みちびき(193番)も含めてGPSを受信しています。あたりまえといえば、あたりまえか。
もうひとつ製造メーカにソフトがあります。GPSFOXというソフトです。
downloadの所に、GPS Tool GPSFOXがZIPファィルで置いてあります。

ビジュアル的には、こっちが見やすいですね。



非対応モジュールとみちびき対応モジュールの受信状況を同時に比較してみました。



どちらも良い感じです。みちびきは、天頂にありますね。これもあたりまえか。

あれ、ボーレート変更はどこでするの??GPS FOxでもできませんでした。

秋月電子のホームページを見ると、MiniGPSのよくある質問(Q&A)がありました。秋月電子およびメーカは、
工場出荷時以外の使い方を想定していないのでボーレート変更ツールを提供していませんとある。うそだろう....

しかし、よくよく見ると、

ボーレート、更新レートに関する設定につきましては、MiniGPS_user_guide.pdfを見なさいとあります。

早速探しててみると、Setup などの高度な設定・表示機能は隠されています。 そうなんだ。ホッとした。

MiniGPS のウィンドが選択されているとき、キーボードの[Ctrl] + [ALT] + [S] キーを同時に押すことにより
Setup / Channel / TEST のタブが表示され、各ページを表示することができるようになりますとあります。

助かった。

では、さっそく[Ctrl] + [ALT] + [S] キーを同時に押します。やった、設定画面が出てきました。
ではということで、ボーレート変更窓で4800bpsを選択すると、130.2%と赤くなっている。

まずい。送受信能力(データ転送能力だな)がオーバーしている。
つまり、モジュール側からはどんどんデータが送られてくるけど、PC側へのデータ送信が遅すぎて
間に合わないという事ですね。





でも、出来るかもしれないと、Setボタンを押してみました。
エラー表示。やはり、設定できない。ダメか。
なお、9600bpsから上のボーレート変更ができるのは確認しています。

あきらめきれない。冷静に、冷静に。

このUSBシリアル変換モジュールは、FT232Rだ。高機能だけど、少し古い。
再度、ホームページを見ると推奨変換モジュールは、FT234Xになっている。
信号変換に特化しているが性能は上回っている。

気になる部分は、以下です。

FT232RL 256バイト受信バッファ、128バイト送信バッファ内蔵
FT234X  内部バッファ:受信 512bytes、送信 512bytes

となっています。能力的には、FT234Xは、倍以上です。
再度、FT234X推奨モジュールを使ってボーレート変更をやってみます。

課題は以下の3つかな。

1.ボーレート変更
2.FTM-400Dが「みちびき対応モジュール」からのデータ受信能力に対応しているか
3.FTM-400Dの内部プログラムがみちびきの信号にも結果として対応しているのか

結果報告は、またの機会で。今日は、ここまでです。(2016.11.05)

その後の経過です。

ボーレート変更は、USBシリアル変換モジュールが原因ではありませんでした。
Mini GPSのマニュアルを読んだのですが勘違いが原因でした。
NMEA Output Settingsの数字は、増える方が間隔が長くなるようです。
一定期間に回数を増やすと思っていました。
回数を増やす(負荷をあげる)のは、その下のFix Update Rateの数字を増やす方でした。
つまり、下記のようにすれば4800bpsには変更できました。



これは、いけるかもということでシリアル変換基板も使ってRS232レベルに信号を変換。
FTM-400Dに接続しました。

現象としては、GPSモニター画面がでてきませんでした。やはり、だめだったか。

しかし、右上の衛星受信状態のちいさな衛星がでて位置信号がでました。
GPSモニター画面が出ないだけで、割り切ればいけるじゃないか。
ということで走行してaprsの信号が出るのを確認しました。
これで、とりあえず終わりにするつもりでしたが.......

数日後、みちびきGPS外部アンテナを使ってみたらどうも様子がおかしい。
無線機の周波数がスキャン状態に陥り使えない状況に。
プログラムが暴走している感じ。

なんで、なんでという事でまず 電源系統を疑いました。
オシロスコープまで引っ張り出して電源のノイズを見て見ました。
そんなにひどくはないという事も確認。
しかしという事で、100均のUSB電源から5Vの定電圧電源に繋ぎかえましたが結果は同じ。

いろいろと実験した結果、193番のみちびきの信号を送ってきている時にこの現象がおきているようです。
つまり、前回、うまくいったのは、たまたまみちびきが受信域外にいたという結論に達しました。

現状では、みちびきを受信するGPSモジュールは、外部アンテナとしてFTM-400Dには使用できない事が分かりました。

YAESUさんが、ファームウェアを対応してくれないかな。
それか、自己責任ならFTM-400XDのファームウェアをFTM-400Dで使えると言ってくれないかな。
(もちろん、その時は、内部モジュールは使えないと思うのですが)

現在、YAESUさんに質問中です。 (2016.11.20)

YAESUさんから回答がきました。2016.11.25
やはり、みちびき対応モジュールは使えないようです。残念です。
回答要約は、以下の通りです。

1.みちびき(準天頂衛星)信号を受信すると周波数がスキャンするような暴走状態になってしまう件

FTM-400Dは、内部GPS/外部GPSを含めて、みちびきを受信できるようにプログラムされていません。
FTM-400Dは、GPS番号100番以降の番号のデータコマンドと周波数設定コマンドが競合して動作する
可能性があり、結果としてスキャンしたような動作になると思われます。
(内部GPSは、100番以降のデータがありませんので、正常に動作します)

2.FTM-400Dのファームウェアのバージョンアップにて、みちびき衛星を受信した機器が使えるようにとの要望について
貴重なご意見として承り、今後の製品開発に生かしてまいりたい。

3.FTM-400DにFTM-400XDのファームウェアを書込みされた場合の件
正しく動作しません。行わないでください。

4.GPS衛星表示について
FTM-400Dは、仕様で2桁のGPS信号までしか対応していないために、GPS193は受信していても表示はされません。
また、GPSアイコンが点灯しているのに全てのGPS番号(2桁の衛星番号を含め)が表示されないのであれば、
外部GPSから出力されるNMEAセンテンスデータが不足している可能性があります。